スープカレー

スープカレーが苦手だ。

なにやらオレの街札幌がスープカレー発祥の地だかなんなんだかしんないけども、関東関西圏の知人からやたら「スープカレーの本場にお住まいとはいやはやなんともうらやましいことで」などと言われることも少なくないのだが、いかんせんオレはスープカレーはカレーとしてはまったくもってこれっぽちも認めておらんのである。

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まず、スープカレーは、しゃばしゃば過ぎる。

これが「カレースープ」と言う名で、これはあくまでカレー風味のスープなのですよ、とおっしゃるのであればオレもなるほどそうですねと認めざるを得ないのであるが、「スープカレー」と銘打ち、これはあくまで日本国の国食であるカレーライスの最新進化系、スープっぽいカレーライスなのでありますよ、ほらほらどうです新しいでしょ、オシャレでしょ、ナウいでしょ、等と言われてもオレとしては絶対に認めらんないのである。

こんなびちゃびちゃのカレーライスなど、ぶっちゃけ作るのに失敗したカレー以外の何者でもないのである。

カレーの本場、スリランカだのインドなどではこういうしゃばしゃばカレーであるのがフツーなのであるんだからして、これこそが本来のカレーなんですよえぇえぇ、等とのたまうヤカラも多いかと思われるが、そんなのオレにとってはまったくもって小島よしおなのである。

やはり日本人の嗜好としては、日本という土壌に根ざす日本本来の、かーちゃんが作ったぞ的カレーライス、ジャガイモニンジンごろんごろんでタマネギ原型、お肉の数は兄弟均等に!的などろどろカレーこそがカレーライスとして認められるべきなのだと思うのである。

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次に、ごはんをすくってカレー風味の液体にちょぼちょぼ浸して食べる、というみみっちぃ食い方も非常に気にくわんのである。

やはりカレーライスたるもの、どかっと盛りつけた山なりの白米に、どかどかっとどろんどろんのカレーをぶっかけ、その脇にちょこんと福神漬けも忘れずに、更にはデッカイコップに冷たい水をなみなみ注ぎ、そこにスプーンをブッ刺して一緒にドン!とテーブルに置いていただき、ガッガッガッ!!と汗をかきかきかき込んで食いたいモノなのである。

それをなんだ、白米を少量スプーンですくい、そっとスープに浸しまして…だとか。離乳食かっつーの。

いいか、皿にどかっと盛られたこのカレー、いわば安定したこの地面、広大な大地を表すわけだ。そこにそっと添えられた福神漬け。これはいわずもがな、真っ赤に燃える太陽だ。地の恵みと天の恵み、この両者がしっかりとMixされ、がっちりとMaxへと昇華されたのがこの、カレーライスなわけだ。これを一気にどかどかっと食らう。それこそが明日への生きるエネルギーを産み、敗戦国日本の驚異的な高度成長を支えたのだよ!!

ふぁっきんスープカレー!!あんなモノはカレーではない!!



なんてことを考えながら昨夜の残りのカレーを朝からいただくわけである。二日目はなんだかちょっとおいしくなってるよね!